癖を治したい気持ちはある

同じ過ちを繰り返すまいと決意するのだが、その場になると結局、同じパターンに陥ってしまう。


自己嫌悪の固まりになり、何とかこの癖を治したいといつも思う。


しかしどうすることもできず、結局運転しなければよいのだ、これ以上客にも迷惑をかけられないと、ついにタクシー会社をやめて、失業中の身になってしまった。


実はJさんにはタクシー運転手になる前から、似たような癖があった。


雑踏の中で人にぶつかると、「人に怪我させなかったか」とあとで気になって、その場所に引き返して確認する。


そこで一さっき、ここで人が倒れていませんでしたか?」と通りがかりの人に聞くこともあります。


「別に」と言ってもらえると、初めて安心できるのです。

続き その2

もっと深刻なのは、客が乗っていた時にこの現象が起こった場合です。


まさか引き返すわけにはいかないので、Jさんの苦しみは筆舌に尽くしがたいものになります。


事故を起こしはしなかったか、頭の中はそのことでいっぱいだ。


一度確かめにさえ行ければ・・・そう思うが、客の手前それもできない。


額に脂汗がにじみ出る。


もう耐えられない。


ついにJさんは客に聞く。


「あの、お客さん。すみませんが・・・私、さっき人をはねなかったですよね」客は当然、びっくり。


唖然として、気持ち悪がって「ここでいい!」と降りてしまう人もいるし、タクシー協会に「変な運転手がいる」と電話されたこともあります。


中には良い客もいて、「いや、心配ないよ。別にはねてないよ。運転手さん、運転慎重だもんね」とまともに答えてくれる人もいるが、まずいことに、そういう客に対してはさらに確認を求めたくなってしまう。


「本当ですか。もう一度、はねてないって言ってくださいませんか?」ついに客は怒り出す。


このようなトラブルがあるたびにJさんは自分を責め苛むのです。

前回の続きから・・・


・・・もちろん、本当にはねたわけはない。


本当にはねればもっと振動するはずだし、第一、別に人が飛び出した様子はない。


それにいつも安全を確認し、慎重な運転を心がけています。


それはわかっているが、ひょっとしてということがあるかもしれない。


そう考えると、Jさんはいたたまれなくなって、とにかく確認するまでは気になって気になって仕方がない。


しばらく走って、ついに耐えられなくなり、その場所まで引き返し、車から降りて、別に事故が起こった様子がないことを確認する。


いや、一度確認しただけではすまないこともあります。


「今、確認したはずだが、見落としがあったかもしれない」と考えて、再びその場所に行ってみる。


自分でも「こんなことをして、バカバカしい。事故なんて起こしてるはずがないのに!」と思うのだが、それでも気になると確認をせざるを得ない。


そんな繰り返しが一日に何度もあった。

困った癖

人を傷つけたのではないかという心配・・・。


Jさん(36歳)はある会社の経理マンだったが、不況でリストラにあい、タクシー乗務を始めた。


それはつい一年前のことだったが、Jさんはタクシーの運転手としてうまくいかなかった。


わずか半年で辞めてしまい、現在は失業中なのです。


こうなったのは、Jさんの困った癖のためです。


タクシーを運転していれば、道路のでこぼこで多少揺れたり、音がしたりすることは当然あるわけだが、その都度、Jさんは誰か人をはねたのではないか、他の車に接触したのではないかと心配になるのだった。


次回に続く・・・

無駄のない人生はないけど・・・


人は無駄なく、効率よく、意味あることだけを行うべきだ。


これはごもっともではあるが、実際にはなかなかそうはいかない。


わかってはいてもバカバカしいことや、意義などこれっぽっちもないようなことにムダな時間を費やしてしまう。


それが人間というものだ。


しかし、ナンセンスな行為が生活の大部分を占めるようになってくると、やはり問題だ。


自分でも「もうやめよう!」と強く決意する。


決意するのになかなかやめられない。


そこに悩みが生じる。


このような悩みが「強迫型ぐるぐる思考」なのです。


社長と秘書との間のサイン

通訳と同時通訳のちがいを考えてみてみよう。


通訳は、外国語を聞き終わるとそれを日本語に直す。


だから、一時間の内容も三十分の内容でしかありえない。


これに対して同時通訳の場合は、一呼吸の差をおいてほとんど同時にしゃべっていく。


だから、一時間の内容はほとんど一時間の密度を持っているといえる。


そのためには、話し手がしゃべれば、次にどんな言葉がでてくるかが予想されていなければならない。


外国語がわかるという必要条件に加えて、その人のしゃべろうとする意図がくみとれ、したがって次の言葉がほとんど同時にわかるという十分条件が要求されるわけです。

ストライクもボールも同じサインでOK


ある会社の女性秘書と、私の事務所の女子社員は同級生で折りにふれて交流があるらしい。


その女性秘書君が入社して一年ぐらいのときだったでしょうか。


私のところの女子社員が、彼女が昨夜こぼしていましたよ、と次のようなことを語ってくれたことがあります。


「うちの社長の出すサインがわからなくて困っちゃう。


この間もそうよ。


社長が、首を右にちょっと動かして、何か合図していらっしゃることはわかるのよ。


だけど、それが何の合図かわからないの。


お客様が帰られてから、君は、僕が車を呼べと合図しているのがわからないのかと叱られちゃった。


だけど、それだけならまだいいのよ、何日かたって、社長が同じように首を右にちょっと動かされるのでお車だと思ったの。


さっそく別室から気をきかせて車を呼んで、お車が参りましたといったら、また大目玉、誰が車を呼べといったとお叱りを受けるわけ。


お茶がほしいということも、車を呼べという意味も、少し席をはずせという場合も、その他みな同じサインなのね。


いったい、どうして見分けたらいいっていうのよね。


そうそう、あなたのところの蒲田先生が見える場合も同じよ。


社長が私を呼んで、あの書類を出してくれとおっしゃるのね。


あなた、あの書類ってわかる?それでも、この前の打ち合わせの次のことだから、あれかなと思って書類を持ってゆくわけ。


そうすると、それでよい場合は何にもおっしゃらないのよ。


うん、それだよ、よくわかったねなどといわれることはまずないわね。


逆に違っていたら大変よ。


なんだこれは、誰がこんな書類を持ってこいといった。


あの書類じゃないかというわけよ。


野球でもストライクとかボールとかサインの仕方ちがうでしょ、何もかも同じサインですませるなんて聞いたことないわよね。


まあ、私の社長はこんな調子だけど、あなたのところは楽でしょうね。


経営コンサルタントですものね。


5WlH、新入社員教育で習ったわよ。


いつまでに、どうして、なぜ、誰々と、どうやってなどというように、丁寧におっしゃって下さるんでしょ」


私は、その話を吹き出しながら聞いていて、私の会社の女子社員に、それで君は何と返事したんだい、と尋ねてみた。


「何いってんのよ。


私のところもまったく同じことよ。


紺屋の白袴というのかしら、もっとひどいわよ。


あなたの会社の社長は、首でも振って合図してくれるからよい方よ」


「おいおい、それはちょっといいすぎじゃないかい。僕はもう少しやさしいだろう」


それから四年経過した。


その社員は結婚して退社したが、女性秘書をしている彼女はまだ健在で活躍中だ。


もちろん、前述のような弱音はさらさらになく、社長のサインなきサインに答えて有能なる秘書とのほまれが高い。


短大卒で入社しているから二十六歳にさしかかっていているところだ。

外交態度

外交性でなく、外交態度ですが、同じく計画についても計画性ではなく計画態度と受けとめてほしい。


アマはやりたいことをやりたいときにやるという計画態度で組む。


プロはやりたくないこともやらなければならないときにやるという計画態度で組む。


この違いが計画と実績の差になって表われてくるのです。


私は計画性に乏しい性分とか、ゆきあたりばったりの性格で、などというのは誤りです。


ことに対していずれの計画態度でのぞんでいるかの差を理解してほしい。


その他、協調性、積極性など多くの性格があげられるが、こうして見るとそのほとんどは性格ではなく、不正確なとらえ方がされています。


いわば、態度の悪さ、自分の心理的な弱さを性格にこと寄せているケースが多い。


さて、性格と態度の違い、そして態度が能力におよぼす影響については理解してもらえたと思います。


とすれば、自分でも気がついていない能力の引き出しは可能です。


なぜならば性格改造は困難でも、態度を変えることは容易だからです。


もちろん、だからといって、明日から一挙に完全転換のむずかしい人もいると思います。


人間の意志は弱いもので崩れやすい。


やる気持はあっても、ずるずると元に戻りやすい。


こういった場合には、自分自身にプレッシャーをかけるとか、「タガ」をはめる必要があります。


いわゆるプレッシャー・メソッドです。

自分自身にプレッシャーをかける

たとえば「人はお世辞だとわかっていても、ほめられれば悪い気はしない」という心理があります。


だから、人にはくり返し、ほめたらよいのだが、どちらかといえばほめる側の方がテレてしまっています。


これが自分は外交性に乏しいと錯覚させているのだ。


それだけではない。


人間は、だいたいよいことをするにもテレるという心理的傾向があります。


たとえば電車に若い人が三人つれで座っているとします。


そこに老人が入ってきます。


その三人は三人とも心の中では席を譲ろうかと思うのだが、さっと立ってどうぞというにはテレが先に働く。


そうしたときにはさっと立つとほかの二人から、お前いいかっこするねといわれはしないか、ひやかされはしないかなどとテレる。


そして、結局うつむき気味に老人をやり過ごすということになります。


しかも後になって、ああ席を譲ればよかったのにと、軽い悔を残すのです。


ビジネスの場でも若干、そういう傾向が強いのです。


会社方針として、ひとつのことを取り決めるとします。


そんなとき、ハイと素直について行くとか、従うのがいい子になりすぎるように思われて、一呼吸おいてからやり始めるものです。


これでは現在の商況、戦局の打開は到底ムリです。


お互いにまずテレる態度をかなぐり捨てることが要求されます。

どんな眠り方をしたのか

知人はどんな眠り方をしたのか。


この方法は、かつてテレビのワイドショー番組で"片目睡眠法"として紹介されたことがあります。


まず、黒の眼帯で右目を2時間おおい、つぎにその眼帯を左目につけかえて2時間おおう、というものです。


つまり、片目ずつ眠るのです。


「そんなバカな・・・」と、一笑する読者も多いかもしれないが、私は断言する。


これは可能です。


黒い眼帯をつけて右目の活動を休止させておくと、その間は、右脳も休息させることができます。


2時間もたてば、右目も右脳もともにすっきりし、リフレッシュしてくることがわかります。


しかし、その反対に、酷使した左目と左脳は、疲労がたまってポーッとしてしまいます。


そこで、眼帯を左目につけかえる。


すると、こんどは左目と左脳が快い休息をとりはじめる。


2時間後には、非常にすっきりとした状態になります。


このようにして私は、六カ月間をなんとか乗り切った。


歩きながらでも眠れる、横にならなくても筋肉の疲れをとることができるということを、身をもって実証したのです。

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